ブルーサファイア
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鉱物名 | コランダム | 和名 | 青玉 |
化学組成 | Al2O3 | 誕生石 | 9月 |
結晶系 | 六方晶系 | 硬度 | 9 |
比重 | 4.00 | 宝石言葉 | 誠実、慈愛 |
屈折率 | 1.762-1.770 | 語源 | ラテン語で青を意味するサフェイロスより |
一般処理 | 加熱 | 色 | 青(サファイアとしては赤い以外すべて) |
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サファイアについて
サファイアといえば青い石と思っておられる方が多いとは思いますが、実はサファイアには様々な色相があり、その中でも赤いものだけをルビーといいます。
サファイアは鉱物名としてはコランダムという鉱物に属します。ルビーとサファイアは、鉱物学的にいうと兄弟であるといえます。その化学組成は,Al2O3、 酸化アルミニウム、いわゆる陽極酸化被膜(アルマイト)です。聞きなれない言葉ですが、身の回りのいたるところに存在します。 ようするに、アルミです。そして、アルマイトを溶かして冷やすだけでコランダムの結晶となります。
不純物が非常に少ない純粋なコランダムは無色透明で、しかも高い屈折率により強い輝きを示しますが(無色サファイア)、
宝石用途として用いられることは殆どありません。
しかし、わずか1%程度の微量のクロムを不純物として合むことにより、ルビーになるのです。この微量な不純物の量が微妙で、これが0.1%となるとピンクになり、ルピーには届かずピンクサファイアと鑑別されます。それが多過ぎて5%以上になると灰色のエメリーと呼ばれる灰色の工業用の研磨用途の鉱物になり、価値はなきに等しくなります。
コランダムは科学的に純粋であれば、本来、無色の鉱物ですが、ある種の元素が不純物として、微量に取り込まれることで、様々な美しい色が現われる結果、豊富なカラー・バラエティが見られるのです。
サファイアの色々な青
コーンフラワーブルー | 矢車草の花の青色をした最高級の色で色合い。 |
ロイヤルブルー | ミャンマーのモゴック周辺で産するサファイアはロイヤルブルーといわれる深みのかかった青色で、矢車菊に次ぐ色といわれ、 透明度はカシミールサファイアより高い。 |
カワセミのブルー | スリランカ産の最高品は「かわせみのブルー」と呼ばれるもので、カシミールサファイアに劣らぬ品質で、 ルビーと同じラトナプーラで産出する。 |
ソフトブルー | パイリン産サファイアに見られる、濃く鮮やかで深みがある青色。コーンフラワーに構造が最も似ているといわれる。 |
インクブルー | オーストラリアで産出され、まさにインクブルー色(低級品) |
産地別解説
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インドとパキスタンの国境地域であるカシミール産のサファイアは、コーンフラワーブルー(矢車草の花の青)と賞され、ビロードのような潤んだ色合いは他の産地のサファイアには無いもので,これがカシミール産のサファイアの際立った特徴です。ビロードの光沢は、結晶内部の微細な液体の小滴が帯状の層を成して光の散乱を起こす為と考えられている。一般にはこのような構造の宝石は不透明になってしまうことが多い。カシミールの最上級の結晶は、ペグマタイト鉱脈の熱水の中で不純物の少ない環境下で成長した為に、透明感のあるビロードのような光沢を持つのだと考えられる。しかし、初期に採れた極一部の結晶に限られます。 サファイアがこの地で発見されたのは1881年とされており、不透明で灰色の石が火打石や砥石として使われていたといわれています。結晶の発見時は宝石とは分からず、同じ重量の塩と交換したとのことです。だが、後に青い石がサファイアであると鑑別され、1982年末には宝石商の一団が宝石質結晶のロットに9万ドルを支払いました。まもなくカシミールのマハラジャが鉱山の所有権を主張し、軍隊を派遣し、村人を締め出して、鉱山の運営を始めました。その後に鉱山での最上質の大型結晶の大半が採取されたと考えられています。その後正式な鉱山運営は停止され、以後カシミール周辺地域は紛争が続き、本格的なサファイアの採掘こそ行われていませんが、現在でもサファイアや他の宝石級の結晶は採取されるようです。標高4500mという地理的な条件と、インドとパキスタンとが軍事的な衝突状態にあるという政治的な条件とが重なり、長い間この地の本格的な調査が行われていません。現在市場に出回っているものは、過去に販売された商品から石をはずして売っている還流品ですが、それでも市場価値は高くびっくりするような値段がついていて、驚かされます。 |
ミャンマー産 (ビルマ産) |
ミャンマー産のなかでも特にモゴック産(モゴック鉱区からとれる石のこと)はカシミール産と並んで、最高級品質のサファイアがとれることで有名でしたが、以前から産出はかなり少なく、もうほとんど採掘されていないとされていました。しかし、ここ最近ミャンマー産サファイアがタイのマーケットで多量に出回っているようです。もともと品質は最高級クラスがとれる産地とはいえ、かなり品質の良いものから、かなり低いものまで幅広いようですので、タイでミャンマー産サファイアを見つけても、産地だけで評価するのではなく、必ず品質も確認してした方が無難でしょう。ただ、実際カシミール産のように柔らかな青色をしているものが多いので、評価は甘めになりがちですが、インクルージョンが出来る限り少ないものを選びましょう。 |
![]() パイリン産 |
その色合いは、ミャンマー近辺の鉱床のためモゴック産のロイヤルブルーを示す物から、パイリン産特有の濃く鮮やかで深みのあるソフトブルーといわれるものまで幅広く採掘される。しかしながら濃すぎるものも多いため産地としての評価は二分してます。最近はかなり採掘量が減っており、再び注目を浴びています。 カンボジアのタイとの国境近くのパイリンで、1960年代後半から大量に採掘され、一時は世界的に地位を確立。1970年、ミャンマーでシアヌ−ク殿下が追放され、アメリカの支持するロン・ノン政府が成立しました。しかし76年に、かの有名なポル・ポト派がロン・ノン政権を倒し、民主カンプチア政権を樹立しました。この後にベトナムとの国境紛争が起こり、ベトナムがカンボジアに侵攻してきました。この侵攻のどさくさに紛れて(?)ヘン・サムソン政権がつくられました。政権は国内統一を目的にポル・ポト派と争い始めました。ポル・ポト派の支配地区のパイリンを中心に世界最良のルビ−、サファイアの原石が、そして木材では良質のチ−ク材がとれるため、これらの利権を手に入れることも考えていました。89年にベトナム軍が撤退し、和平のための話し合いがもたれ、91年にパリ和平協定が結ばれました。この紛争と、スリランカ産が多く産出されるのに押され、現在では産出がほとんどない状態になっています。 |
![]() スリランカ産 (セイロン) |
現在、世界的に最も多く流通しており、評価も高い。良質で大粒な原石も多く産出する。他の産地に比べてやや淡めで、 透明度が高くわずかにパープルがかっているのが特徴。最高品は「かわせみのブルー」と呼ばれるもので、 カシミールサファイアに劣らぬ品質をしている。現在、店頭などで見られる透明度が高い高額のサファイアは、 ほぼ間違いなくスリランカ産だといえる。もしサファイアを購入するのであれば、スリランカ産が価格と品質のバランスがよく定評もあり、歴史と実績もあるのでおすすめといえる。 |
![]() オーストラリア産 |
オーストラリアではクイーンスランドのアナキー地方に産出し、いったいに暗青色を呈するものが多い。 ここは十世紀末から採掘されている。濃く黒みがかっているものが多く、その色合いからインクブルーと言われ、世界的に評価は低い。評価が低い分低額で取引されるので、一般に売られている安いサファイアで透明度が低く黒みがかっているものは、ほぼオーストラリア産だといえる。 |
![]() マダガスカル産 |
1990年代から採掘がはじまり、最近ではかなり知名度も上がってきている。その色合いは、スリランカ産を遥かに凌駕するクラスも多く産出されている。透明度が高く、色合いは現在産出のあるどこの鉱山よりもカシミール産に似ており、出回りだした頃は、カシミール産として販売されていたこともあるということです。ただ透け石も多いですが、地金との相性が良く石をセッティング時に最も美しい青色になる。人の頭程のサファイアの原石が産出されたこともあり、今後最も期待できる石の1つだと言われていましたが、2002年のパパラチアサファイアの加熱処理問題(パパラチアサファイアの説明に明記)が発生してからは、マダガスカルで採掘されたコランダム自体の信用が低下し、品質のわりに需要は低下している。 |
モンタナ産 (アメリカ) |
18世紀後半から砂金の探鉱者によりサファイアが採掘され出しましたが、粒が小さく、品質もまあまあ位だったので、あまり注目されませんでした。そのため伸び悩んでいましたが、加熱処理を施すと綺麗なカラーサファイアに変化することから再び注目が集まりました。また、ヨーゴ峡谷でとれるサファイアは小粒のものが多いとはいえ、クンツァイト(宝石名)で有名なティファニーの宝石学者クンツ博士によりコーンフラワーブルーだと絶賛されたため、ヨーゴ峡谷産のものは、モンタナ産サファイアのなかでも別格扱いになっています。ただ、1ctを越すものは1割以下だといわれています。 |
サファイアのカラーバリエーション
ブルーサファイア | BLUE SAPPHIRE | ![]() |
青色 |
レッドサファイア | RED SAPPHIRE | 赤色? | |
ピンクサファイア | PINK SAPPHIRE | ![]() |
ピンク色 |
パパラチアサファイア | PADPARADSCHA SAPPHIRE | ![]() |
ピンク〜オレンジ色 |
バイオレットサファイア | VIOLET SAPPHIRE | ![]() |
紫色 |
イエローサファイア | YELLOW SAPPHIRE | ![]() |
黄色 |
グリーンサファイア | GREEN SAPPHIRE | ![]() |
緑色 |
オレンジサファイア | ORANGE SAPPHIRE | ![]() |
オレンジ色 |
ホワイトサファイア | WHITE SAPPHIRE | ![]() |
無色 |
ブラックサファイア | BLACK SAPPHIRE | ![]() |
黒色 |