ペリドット
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鉱物名 | オリビン | 和名 | 橄攬(カンラン)石 |
化学組成 | (Mg,Fe)2SiO4 | 誕生石 | 8月 |
結晶系 | 斜方晶系 | 硬度 | 6.5-7 |
比重 | 3.40 | 宝石言葉 | 幸福・夫婦愛 |
屈折率 | 1.65-1.69 / 複屈折 | 語源 | フランス語の「Peridot」より |
一般処理 | - | 色 | オリーブ色 |
価格例
ペリドットについて
オリビンという名前はあくまでも鉱物学的なものであり、そのなかでもとくに綺麗で貴重なものをペリドットと呼びます。このペリドットは、オイリーなオリーブグリーンを呈していることからオリビンとも呼ばれます。この石の特徴として、複屈折が挙げられます。ルビー、サファイア、エメラルドも複屈折の石ですが、ペリドットほど顕著にあらわれません。複屈折とは、宝石に入った光が1筋の光として出て行くのではなく、2重の光となって出て行く性質を言います。そのため、ペリドットを見ると、反対側の稜線が明らかに2重になって見えます。また、ほの暗い照明の下では、驚くほど高い輝きを発することから、イブニングエメラルドという異名を持ちます。
身に着ける際と、保管の仕方
硬度が低く、劈開性(宝石や鉱物にある機械的な衝撃を加えた時に、その結晶面または、その結晶の特定方向に、平行もしくは平滑に割れたり剥離する性質)がある為、強い衝撃を加えると割れる可能性があるので注意が必要です。また、酸に対しても弱いので、加工の際などに表面が荒れたり曇ったりすることもあるようです。余談ですが、物の本などにあまりに「酸に弱い。酸に弱い。」とかかれているので、どの程度弱いのか確認したくて某有名大手鑑別機関に問い合わせたところ、「いやぁーあくまでも本で得た知識なもんでどこまで弱いかは本当のところわからないです。」との事でした。ただ、本当に酸につけていたら、少しずつ溶けていくことになるとは思いますが、汗程度なら着用した後にきちんと拭くということを習慣づければ大丈夫でしょう。
産地と歴史
ペリドットを語る時に外せない話として、紅海のトパズィオス島(現在はザバルガット/英名セントジョーンズ島)の話があります。ここでは、紀元前から採掘がされており、世界最大の310ctのペリドットもここで採掘され、スミソニアン博物館で展示されています。大昔、アラビアの海賊たちがこの島に難破し、たまたま見つけたのが始まりとされており、その後中世の十字軍によって欧州にもたらされ、キリスト教の儀式に多く使われました。紅海技術が発達してなかった時代には、常に霧に包まれたこの島にはたどり着く事が困難であったため、ギリシャ語の「捜し求める」という意味の「トパズィオス」Topazosに由来して島の名前がつき、その島の名前からこのペリドットのことをトパーズと呼ばれていましたが、アラビア語で宝石のことをファリダットというところから、名前が混同され、いつの間にかファリダットのことを石名と思い、それが変化しフランス人がペリドットと呼ぶようになり、今に至ります。現在では、この島からの産出はほとんどなく、ミャンマー、アリゾナ(アメリカ)、ノルウェー、ブラジル、中国、ケニア、オーストラリア、ロシア、メキシコなど世界のいたるところで産出されます。