ダイヤモンドの4Cについての解説。ハートアンドキューピッドやトリプルエクセレントの解説。

石.jp

ダイヤモンド

ダイヤモンド
(DIAMOND)

宝石の王様ダイヤモンド。ダイヤモンドは世界中の女性の永遠の憧れです。

ダイヤモンド
鉱物名 炭素 和名 金緑石
化学組成 C 誕生石 4月
結晶系 等軸晶系(立方晶系) 硬度 10
比重 3.52 宝石言葉 永遠の絆、不屈
屈折率 2.417 語源 ギリシャ語の「アマダス」(侵されざる物)から
一般処理 - 無色から黄色味色(ダイヤとしてはすべての色)

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ダイヤモンドについて

ダイヤモンドは、おそらく宝石の中でも最も知名度が高く、最も硬い宝石として一般的に知られています。モース硬度10とされていますが、モース硬度9のコランダム(ルビー・サファイア)とは比較にならないほど硬いのですが、劈開性という一定の方向からの衝撃に弱い特性があるため、実は意外ともろかったりします。

一般的にダイヤモンドは無色透明の宝石と思われていますが、実はブラウンダイヤモンド、イエローダイヤモンド、ブルーダイヤモンド、ピンクダイヤモンド、レッドダイヤモンド、グリーンダイヤモンド、パープルダイヤモンドなど様々な色相のカラーダイヤモンドが存在します。

ダイヤモンドの4C

ダイヤモンドの品質は一般的に4Cと呼ばれる基準によって評価されます。

  1. Color カラー(色)
  2. Clarity クラリティ(透明度)
  3. Carat カラット(重量)
  4. Cut カット(カット)

これらの4つの評価基準の頭文字Cを合わせて4Cといい、これらの評価の総合点によりダイヤモンドの価値そして価格が決まります。

COLOR(カラー:色)

ダイヤモンドの評価基準の一つで、色のグレードは厳選されたマスターストーン(基準石)と比較し、 黄色味の度合いによりアルファベットでDからZまでグレード(等級付け)されます。ではこのグレード がなぜAからでなくDから始まるのか。GIA(米国宝石学会)が4Cの基準を考える前は、ダイヤモンド の明確な鑑定基準はありませんでした。しかし全く何もグレードが無かったわけではなく、カラー に関して各業者が自由に「1,2,3」や「A,B,C」というようなランクをつけていました。「A,B,C」 というグレードは結構使われていたらしく、GIAは新しい基準を新しい文字で表記するためにDから 始めたと言うことです。という話が4Cを作ったGIAからの正式発表ですが、巷ではDiamondの「D」から、 というウワサの方がよく広まっているようです。

D・E・F G・H・I・J K・L・M N-----R S-----Z
無色 ほぼ無色 僅かな黄色味 非常に薄い黄色 薄い黄色

一般的にエンゲージリングとして、許される?クラスのカラーは、D,E,Fカラーといわれ世間ではそのくらいのカラーが良く出ているのも事実です。では、Gカラーでは駄目なのかというとはっきり言ってよほど見慣れている人でない限り判別は難しいのが現状です。カラーよりもその人の気持ちが大切なのです。では、一般的なファッションリングとしてはどうでしょう。Kカラーくらいまではなんとか使われています。それを過ぎると逆にイエローダイヤとして売られているのも現状です。

CLARITY(クラリティ:透明度)

ダイヤモンドの評価基準の一つで、ダイヤモンドの場合、結晶時形成時に取り込まれた包有物が多い石ほど透明度が下がり、 輝きを損ないます。そこで、包有物の大きさ、数、位置、目立ちやすさ、 性質などを10倍率という拡大条件で観察してグレードを決定しています。しかしこれは一般の消費者が見てではなく、熟練者が見て決める内容なので、消費者の方がみてもあまり分かりません。また、最近ではSI3というグレードが世界的には出てきつつあります。日本ではJJA(日本ジュエリー協会)が阻止しているとの事ですが、I1のいいところをSI3として販売しようとする試みで、賛否両論です。

FL・IF VVS1・VVS2 VS1・VS2 SI1・SI2 I1・I2・I3
10倍拡大で発見困難な包有物 10倍拡大で発見がやや困難な包有物 10倍拡大で発見が容易。肉眼は困難 肉眼で容易に発見できる包有物
FL=フローレス(石の内外部無欠損) IF=インターナリーフローレス(内部無欠損)

一般的にエンゲージリングとして許される?クラスのクラリティは、VS2くらいまでといわれ世間でもそのくらいまでのクラスがよく販売されています。実際によほどの目利き?(いわゆる熟練者)でない限りVVS1とVS2の差はわかりません。ファッションリングクラスになると、I1くらいまでは一般的に良く使われています。ただ、I2、I3ともなると傷っけが多くダイヤモンドとしての輝きにあまりに欠けるので、いくら安くてもお勧めは出来ません。しかもそのクラスは傷が多いが故にダイヤモンド本来の強さもかなり下がっています。あくまでも一応ダイヤである、という感じのダイヤモンドです。

CARAT(カラット又はキャラット:重量)

ダイヤモンドの評価基準の一つで、重量をあらわします。単位はct。1ctは0.2gのことで、特にダイヤモンドにおいては、 少数第3位まで測定して表示します。その他のグレードが同じ場合なら、石は重量が重いほど価値が高く評価される事になります。あくまでもおおよそですが、一般的なダイヤモンドの丸いカット(ラウンドブリリアントカット)のとき下記の表くらいの大きさとなります。

ct
0.1
0.3
0.5
0.8
1.0
2.0
3.0
5.0
10
mm
3
4.3
5.2
6
6.5
8.2
9.5
11
14

一般的にエンゲージリングとして許される?クラスのカラットは、最低0.25ctくらいから0.5ctくらいといわれ世間でもそのくらいまでのクラスがよく販売されています。大きければ大きいほどいいのはいいのですが、まあ、20代の女性の手に合う大きさは0.25ct〜0.50ctくらいといわれています。世間的に、ダイヤ=カラットのようなイメージが先行していますが、いくら大きくても先に述べたようなカラーや、クラリティが悪ければ安くなります。とくに、大きいだけに悪さが目立つようなことにもなりかねないので、バランスの良いものを選択しましょう。?

CUT(カット:研磨)

ここでのカットは、一般的に最も美しく見えるといわれるラウンドブリリアントカットを基準に説明しています。このカットでない限り、一般的にカットの評価はされません。

ダイヤモンドのカットについて

カットはダイヤモンドの美しさに人間が関与できる唯一の要素です。 輝きが十分に発揮される適切なカットは外観に影響するわけですから、石の価値を決める上で大切な要素となっています。 トルコウスキープロポーションという決まったモデル基準から、 どの程度外れているかを判定するのがカットのグレーディング評価の基準となっています。

シンメトリーの評価
輝きを石の各部分から均等に引き出すには、各研磨面の対称性が高度(8回対称)でなければならない。

ポリッシュの評価
石の内外部の反射率を高める為には丁寧な研磨でここに完全平面が実現されていなければならない。

EXCELLENT VERY GOOD GOOD FAIR POOR
エクセレント ベリーグッド グッド フェアー プアー

一般的にエンゲージリングとして許される?クラスのカットは、最低GOODくらいまでといわれ世間でもそのくらいまでのクラスがよく販売されています。ファッションリングでも同様です。やはりいくら綺麗な素材(カラー、クラリティの良いダイヤ)を用意してもカットが悪ければ、ただの硬い石なのです。また、カット基準は、最も理想とされる石にどれだけ近いかというのをはかりで計測して、近いからエクセレントという評価がなされます。だから、エクセレントの方が理論上はベリーグッドよりも綺麗なはずですが、肉眼で見た場合の真偽は定かではありません。

トリプルエクセレントとは?

カットの評価で、シメントリー(対称性)と、ポリッシュ(研磨状態)と、カットの総合評価の欄が、全てエクセレントのものをさしていいます。相場的には通常のエクセレントよりも若干高くなります。

ハートアンドキューピッドとは?

カットを見る特殊な器具を使うとプロポーションとシンメトリー(対称性)の優れているダイヤモンドには、テーブル側から見るとアロー・マーク(弓矢の模様)が、パビリオン側から見るとハート・マーク(ハート模様)が見えます。この現象が見られるダイヤモンドを「ハート&アロー」と呼んでいたのですが、「ハート&アロー」が、ある業者によって商標登録されてしまったため使えなくなり、それに代わって「ハート&キューピッド」という名称が広く使われるようになりました。

蛍光性(Fluorescence)

ダイヤモンドの中には蛍光性を帯びているものがあって、蛍光性が強いダイヤモンドは紫外線を吸収してより波長の長い可視光(一般的に青色領域)を放出します。蛍光性の強いダイヤモンドは、例えば真っ暗な部屋でブラックライトのような強い紫外線を当てると真っ青に光り(蛍光が青色の場合)、自然の太陽光にも紫外線が入っているので日光下でも少し蛍光色がかかります。

価格には影響はないというのが業界的には一般論ですが、品質には多少なりとも影響があるようです。カラーグレードの良いダイヤには、悪く(本来の輝きが鈍り、良い透過性が生かせない)、カラーグレードの低いダイヤには良く(青色の蛍光性が黄色身を打ち消すため見かけのカラーグレードが良くなる)影響するようです。また、特に蛍光性の強いダイヤモンドばかりを集めて、ブラックライトの下で見ると、星座に見えるように配置したり、特に蛍光性の強いことを売りにしたダイヤモンドを販売している業者も存在します。

4C以外のダイヤモンド評価基準

ブリリアンス(Brilliance)・・・目に見える光のまばゆい輝き
ファイア(Fire)・・・ダイヤモンドからでる分散した光が虹色にみえるもの
シンチレーション(Scintillation)・・石、光源、見る人の位置によって見える、きらっと光る閃光のような反射

ダイヤモンドの輝きは、ブリリアンス、ディスパーション、シンチレーションという3つの輝きの相乗効果で起こるものです。ところが、ブリリアンスを優先して考えると、テーブル面はある程度広い方が良いのですが、ディスパーションを優先して考えると、テーブル面はやや狭い方が良いのです。どちらの方が綺麗に輝いて見えるかは、個人差があると思います。ただ、本来ダイヤモンドの輝きは4Cだけで判断されるべきものではなく、目で見て確認するのが最も良い選択方法であると思います。

ラウンドブリリアント以外のカット

ダイヤモンドの屈折率から考えると、一般にファンシーシェイプといわれるオーバル、ハートシェイプ、ペアシェイプ、マーキース、テーパーバケットなどには、ラウンドのように理論的に割り出されたカットの基準がありません。そこで、ファンシー・シェイプにはカット評価はしません。

カット

普通のラウンド・ブリリアント・カットは、クラウン側に33面、パビリオン側に25面(キューレット1面を含む)、合計53面のファセットがあります。 それより多い、86面カット、102面カット、144面カットなどは、普通より多いファセットを作ることによってシンチレーションやディスパーションを多く発生させて、余計キラキラとするように考えられたカットです。 これら多面カットはカットに付加価値を付けて販売されていますが、カット評価の対象にはなっていません。



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